第2話 恩師

親について書くのはやはり抵抗がある。親に感謝するのは当たり前という側面もあるが、なにより恥ずかしい。


先延ばしにして、恩師について書きたいと思った。


ておもったが、親と彼女以外に恩を感じた相手と定義づけても、恩師と呼べる人が多すぎる。

なので、非常に抽象的に

バスケットボール

としたい。

なぜなら、私が恩を感じた相手は9割がたバスケットボールつながりだからだ。


まずは、中高時代からいきたい。

中高一貫の私は中高ともにバスケ部である。スラムダンクの影響だ。

しかし、スラムダンクの様な展開などない、いわゆる弱小校である。

全国大会に行きたいという目標があったが、同期でそれを口にしたのは現実を受け入れたくない私だけであった。

みんな、頭いいから現実的でないことを理解していた。


目標を達成できなかったが、間違いなくいまの自分に影響を与えた人が二人いる。

高校の顧問、k沼先生とi藤先生だ。

同期にも大いに感謝してるが、それはまた今度にする。


K沼先生は私含めみんなに言った。

「人を熱くしたいなら、まずは自分が一番熱くなれ

当時の自分のことしか考えられないEQ低めの私には意味がわからなかった。

これを理解していたらもっと強いチームになってたのでは、って今でも思う。

でも、いまなら理解しているし、これが大事なシチュエーションでも実践できる。自称だが。

父にも言われたが、他人をコントロールしたがる人は大抵自分をコントロールできない。

そういう人に、人はついていかないのだ。そういう経験もしてきた。

よほどのサバイバルな状況でない限り、おれに従え系リーダーはかすである。


もう一人の顧問i藤。

彼の名言は

「花より花を咲かす土となれ」

ちなみに、ゴーマイウェイの私には人に合わせるような黒子の役はいまでも苦手だ。その代わり、自分が支えられていることに気づけ、周りに感謝できるようになった。


黒子役。

黒子役と言えば、大学時代のバスケサークルで出会ったshige。

私が入ったサークルは当時鬼強かった。なぜかよくわからんが、私が2年次の頃には四人の国体選手、5人のジュニアオールスターがいた。

部活行けやっておもうほんと。

そこに、東京の強豪校出身だが、全国では全く無名のシゲがスタメンだった。彼は三年生のときにこのサークルに入って、すぐスタメン。


彼から二つのことを学んだ。

黒子、そして、人望


まずは黒子。

彼はスター性を秘めていた。その気になれば、チームの得点王になれるのに、パスを捌ける柔軟性を持ち合わせていた。

一緒に試合出ると、自分の得点ばかり考えるなとよく怒られていたのが懐かしい。

でもその指摘のおかげで、私もアシストできるようになった。

私が黒子役できるシチュエーションがあるとしたら、バスケだけだろう。


人望

彼がスター性を秘めていたのは、バスケスキルだけに起因したものではない。コミュニケーション能力の高さもだろう。誰に対しても元気よく挨拶し、人をいじるときのも上手い。いじり相手との心理的距離感を適切に把握し、相手を不快にしたり場の空気を壊さないで笑いをとるのが本当にうまかった。

そんな彼は皆に慕われていた。

彼とは毎晩お泊まりしていた仲だが、私は彼とはだいぶ違う生き物だった。

基本的に大学生の悪ノリが嫌いだったこともあり、あまり周りといい関係をきずけなかった。

なぜ、しげと私が仲良いのか、影で首をかしげるレベルだったらしい。


彼とは喧嘩したこともある。

人の感情無視する合理性vs人の感情重視する非合理性

初めはなぜこんなバカをみんな慕うのか全く理解できなかった。

彼の学歴が高くないことがまた、自分の正しさを疑わなかった原因だった。


時間がたって、やっと理解できた。

私は自分が都合良くなるように合理的に考えていた。

彼はチームに都合良くなるように自分を犠牲にしていた。


TeamにIという文字はないのである。

By あひるの空


しげとの具体的な時間の共有は、顧問二人の抽象的な言葉の理解を助けてくれた。


人には感情があるのだ。

人をまとめるリーダーの立場として、目指すべき合理性または最適化の対象は自分のタスクではない。非常にチャレンジであるが、自分のタスクに加え、人望も変数に入れなくてはならないと私は考える。


そのためにもセルフコントロール



以上